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山のホテル つつじ・しゃくなげフェア「俳句募集」受賞作品発表

つつじ・しゃくなげフェア2013俳句募集 受賞作品集

山のホテルの「富士」を兼題に俳句を募集しました。

平素より、山のホテルをご愛顧いただき、ありがとうございます。
箱根でも屈指のロケーションを誇る岩崎小彌太男爵の別邸跡に建ち、いまなお当時の面影を色濃く残す「山のホテル」。
男爵の「粋」や「ホスピタリティ」を受け継ぎ、皆様に見守られ続けて今日に至ります。
高浜虚子に俳句を学び、自らも「巨陶」の俳号で句集を出す程であった岩崎小彌太男爵にちなみ、昨年ご好評でした俳句を今年も募集し、全国各地からハガキやインターネットを通じてたくさんのご応募をいただきました。
 
選者に中原道夫様を迎え、厳正な選考の結果、最優秀賞、優秀賞、佳作を発表いたします。

最優秀賞

二日はや富士より高く産着干す

東京都大田区 中村 宏汀 様

<選評>
正月二日が季語。年末に生まれたばかりの児か。赤子は正月も関係なく襁褓(おしめ)を汚す。母は二日だからと言っておられず洗濯物を随時干す。晴れわたった正月の空に富士と洗濯物。富士より高くといった処に新年の目出たさと児への祝意が表れていて秀吟である。

優秀賞

復員の朝も富士の雪帽子

福島県安達郡 瑞雲 様

<選評>
戦争が終わって続々と戦地から復員して来る人達。日本に近付き最初に目に飛込んできたのは富士山だったと聞いたことがある。その姿に母にも似た安堵感、懐かしさに涙した人も多かった筈。朝も から今見ている富士も、そのときの富士もと思い出しているのが解る。

大富士の百年の水新豆腐

埼玉県吉川市 山崎 秀雄 様

<選評>
富士山に降った雨が地中深く染み込み、長い年月を経て伏流水として湧き出る。いわゆる富士の名水。そんな名水でこしらえた新豆腐だから下味かろう筈がない。名詞と名詞を繋ぐ助詞「の」のみで余計なことを言わない。これも俳句の”力”。

窓からも校歌にも富士卒業す

静岡県静岡市 今井 克己 様

<選評>
富士山周辺の学校の卒業式。いつも窓から見えていた”見慣れた”富士山も見収め。そして歌い慣れた校歌の中にも富士を讃えた歌詞があることに気付く。いつの日かまたこの校歌をクラスメートと唄うことがあるに違いない。

佳作

遊覧船水尾引くはるか逆さ富士

東京都町田市 井口 千枝子 様

富士映す湖は涙のかたちして

埼玉県秩父市 請関 くにとし 様

夏富士を見むと被災地より来る

茨城県桜川市 海老原 順子 様

真正面富士のとび出る芒道

埼玉県三郷市 畑中 友樹 様

あらためて冨士を見にゆく月見草

愛知県名古屋市 伊藤 弘子 様

虹鱒を逃せし先の逆さ富士

東京都杉並区 小澤 十猪 様

黒黒と力ある富士夏燕

神奈川県川崎市 池田 功 様

夏富士や億年刻む今日にあり

東京都世田谷区 野上 卓 様

富士山を丸洗ひして梅雨明ける

愛知県東海市 斉藤 浩美 様

武蔵野や富士より高き夕蜻蛉

大阪府大阪市 河上 輝久 様

このように実りある「俳句募集」が開催できましたのも、俳句選者の中原 道夫氏はもとより、この趣旨の理解と俳句を投句していただいた皆様のおかげと深く感謝いたします。

<中原 道夫 プロフィール>
中原 道夫1951年 新潟県新潟市和納(旧岩室村)に生まれる
1974年 多摩美術大学卒業
1982年 句誌『沖』へ投句を始める
1984年 第12回沖新人賞受賞、同人となる
1990年 第一句集『蕩児』(富士見書房)により第13回俳人協会新人賞受賞
1994年 第二句集『顱頂』(角川書店)により第33回俳人協会賞受賞
1998年 俳句誌「銀化」主宰

句集に「アルデンテ」「銀化」「歴草」「中原道夫俳句日記」「不覚」「巴芹」「中原道夫作品集成Ⅰ、Ⅱ」「天鼠(てんそ)」等。英訳 句集「蝶意」。現在、新潟日報俳句欄選者、NHK-BS俳句王国選者、日本文藝家協会会員、俳人協会幹事などを務める。TV番組では、「今日の料理」「男の食彩」「新・日曜美術館」「俳句紀行五-七-五」「BS俳句吟行会」「BS俳句スペシャル列島横断市民俳句大会」(以上 NHK)、「タモリのジャングルTV」「ジャポニカ・ロゴス」など多数に出演。
2009年4月から「NHKラジオ深夜便」一年間担当。

 ツツジを守ることがホテルの誇り。今年も爛漫と花を咲かせて。

山のホテル 庭園岩崎男爵の時代から変わることなく咲き誇るツツジ。中には樹齢100年を超えるものも。美しい庭園を後世に残すために、ホテルでは年間を通じてツツジの世話をしています。
雪や老齢のせいで枯れてしまったものを補うために補植が必要になることもあります。けれど、ツツジは環境が変わると、なかなか根づかず、しっかり根づくのは1割程度。しかも、樹齢70〜80年のものを万一枯らしてしまったら、元の姿に戻るまでに70〜80年かけなくてはなりません。男爵別邸時代から受け継いだツツジを守ることはホテルの使命として、愛情をもって日々世話しています。
 
季節の花便りにて、現在の庭園状況や四季折々の花についてなど日々更新しております。
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山のホテルつつじ・しゃくなげフェア2012開催

山のホテル
〒250-0522 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80
TEL. 0460-83-6321
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